家族の結びつきが強いナゴヤでは、「家族で一緒に」を意識した店づくりを。
ナゴヤは東京、大阪と並ぶ三大都市にも関わらず、二世代、三世代が同居する大家族世帯が多く存在します。ナゴヤの親子二世代同居率は日本一と言われるほど。親が子どもを外に出さないということも大きな要因ですが、子どもからしても親と同居した方が家賃を節約でき、その分好きなことに使えたり貯蓄などに回せて合理的、という思惑も少なからずあるのでしょう。このナゴヤで見受けられる「家族主義」、実は名古屋ビジネスや文化ではかなり大きく影響しているのです。
名古屋の家族主義に見られるビジネス・文化事例はいくつもあります。例えば、上記の大家族世帯もその一例。家族を大切にするという名古屋人気質の表れでもあるように、二世代家族や三世代家族の同居率が非常に高いのです。さらに、お父さんたちは仕事の後に同僚と飲みに行くよりも仕事を終えたらさっさと家に帰り、我が家で晩酌しつつ夕飯を食べるのが一般的。これは飲酒にかけるお金が全国的にみても最下位ということからも明らかです。しかし、喫茶店にかけるお金は全国2位だというから、食にお金をかけないというわけではないのです。休日の朝は家族でモーニング。この「家族で一緒に」というのがポイントなのです。
さらに、今ナゴヤでよく見かける母娘ショッピング。大手百貨店にとりわけよく見られる光景ですが、これも家族主義を基盤とした事例です。他地域ではあまり母娘で買い物をしている光景は見かけませんよね。実はコレ、社会人になった娘と買い物に行き、ブランド品を買い与えるという名古屋市場の特徴なのです。三河地方では子どもの成人のお祝いに車をプレゼントするという家庭もよく耳にします。こうしてみると名古屋人の貯金は、家族、とりわけ子どものために消費されているのです。結婚式が派手だというのもうなずけます。
また、他にもナゴヤ(愛知)は持ち家率が非常に高い。東京の45.1%や大阪の51.9%を上回り、愛知は58.7%。さらに、一戸建て率は東京の29.7%、大阪の39.4%を大きく引き離し52.1%にも上ります。家を持つということはそこで一生暮らす決意があるということ。名古屋人は県外に出たがらず、生まれてから死ぬまでナゴヤで暮らす人が多いため、家を買うことにも迷いがないのです。逆にいえば、家を買うせいで県外に出ないということが言えるのかもしれません。ただ、それだけ名古屋の住宅事情がいいということなんでしょう。「全国住み良さランキング」からみても、東海三県は好評価。全国6位の刈谷市を筆頭に11都市が上位50位までにランクインしています(※1)。自宅通いが多いのもその要因を大いに含んでいることでしょう。
このようにナゴヤでは「家族」に重きをおくのが重要ポイントになります。例えば居酒屋に行くにしても、小さな子どもと一緒に行けるなど、家族でいきやすい雰囲気の店は名古屋人気質のツボをついたものになって、利用しやすいと考えるのです。要は「家族」をキーワードにしてどのように、ビジネスを開拓していくのかがカギになるのです。他地域では薄れてきていると見受けられる家族との結びつきですがナゴヤではまだまだそんなことは無く、家族との結びつきは他地域よりもずっと深いのです。ナゴヤに出店するさいは、この「家族主義」をじっくり考えてみるのも成功への道です。